もっと村上龍作品に触れたくて見つけてすぐ手に取った一冊。内容については、なにか今の日本を皮肉っているようなところがよく感じられた。しかし、国のもとをただせば個人の集まりであるし、P120の「誰も何が欲しいかわからないからみんなが買うものを買う」とか、P121の「みんな誰かの言いなりになっている」とか、P156の「アメリカ人の好きそうなものを好んで、それが異常だと気づけない」とか、この辺の言葉になぜか自分がヒヤッとさせられた。もちろん共通言語として英語を勉強したり、自分とは違う容姿、文化を持つ外人に憧れるのは、ないものねだりな人間の性からしてしょうがないことだと思うけどやっぱり日本人の精神的な強さとかそういうところは誇りに思わないといけないと思った(現代人にその強さが備わっているかは別として、、)。
また、本解説を読んで村上龍作品の楽しみ方がわかったような気がした。やはり本を読むからには「結末」が欲しいと思うのが普通だけど、村上龍作品には明確な結末がない(ように自分は感じる)。だからこそ、初めて村上龍作品を読んだとき、なんだこれ、、、と読了後には何も残っていないような感じ(物語の結末がよくわからないような感じ)がしたけれど、印象として描写とか表現がすごかったなあとしっかり覚えていて、その印象に残ったような残ってないような不思議な感覚にはまった。でも、本を読んだ後に結末をだれかに話すために本を読んでいるわけじゃないし、その場その場の描写とか表現を楽しむというのが独所の本質だとすれば、村上龍作品はやっぱりすごいと改めて感じた。
こんなにレビューを長く書いたのは久しぶりだし、やっぱりなんか他の本とは一線を画していると思う。もっと読みたい。
- 感想投稿日 : 2017年7月23日
- 読了日 : 2017年7月21日
- 本棚登録日 : 2017年7月23日
みんなの感想をみる