五分後の世界 (幻冬舎文庫)

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著者 : 村上龍
  • 幻冬舎 (1997年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877284442

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五分後の世界 (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

  • もっと村上龍作品に触れたくて見つけてすぐ手に取った一冊。内容については、なにか今の日本を皮肉っているようなところがよく感じられた。しかし、国のもとをただせば個人の集まりであるし、P120の「誰も何が欲しいかわからないからみんなが買うものを買う」とか、P121の「みんな誰かの言いなりになっている」とか、P156の「アメリカ人の好きそうなものを好んで、それが異常だと気づけない」とか、この辺の言葉になぜか自分がヒヤッとさせられた。もちろん共通言語として英語を勉強したり、自分とは違う容姿、文化を持つ外人に憧れるのは、ないものねだりな人間の性からしてしょうがないことだと思うけどやっぱり日本人の精神的な強さとかそういうところは誇りに思わないといけないと思った(現代人にその強さが備わっているかは別として、、)。
    また、本解説を読んで村上龍作品の楽しみ方がわかったような気がした。やはり本を読むからには「結末」が欲しいと思うのが普通だけど、村上龍作品には明確な結末がない(ように自分は感じる)。だからこそ、初めて村上龍作品を読んだとき、なんだこれ、、、と読了後には何も残っていないような感じ(物語の結末がよくわからないような感じ)がしたけれど、印象として描写とか表現がすごかったなあとしっかり覚えていて、その印象に残ったような残ってないような不思議な感覚にはまった。でも、本を読んだ後に結末をだれかに話すために本を読んでいるわけじゃないし、その場その場の描写とか表現を楽しむというのが独所の本質だとすれば、村上龍作品はやっぱりすごいと改めて感じた。
    こんなにレビューを長く書いたのは久しぶりだし、やっぱりなんか他の本とは一線を画していると思う。もっと読みたい。

  • 結論。

    どのような世界であっても、
    そこをどのような世界だと把握し、
    どのように生き残るかを考え、
    たとえそこに矛盾や不条理が転がっていても、
    生き抜くのだと自ら選択することが、
    たったひとつの答え。

  • 読み終わりました。

    こんなにも読みながら
    ドキドキした本は初めてでした。

    戦いの様子が本当にリアルに
    細かく描写されていて、
    引き込まれました。

    最後の1ページまで
    ハラハラドキドキして
    油断できませんでした。

    あ、ミズノ少尉が
    かっこよかったです。笑

  • ヘビロテ本のひとつ。
    とっくにブクログに書いたと思ってたのにまだでした。

    今の次元とほんの五分だけ時間のずれた別次元の日本。
    そこに迷い込んでしまった男の話。
    先の大戦で降伏せずに戦い続けた版の日本がそこにはあって、地下に追いこめられても誇りを失わず戦い生き抜く日本人たちに戦慄を覚えつつも誇らしい気持ちになる。
    村上龍の書くナショナリズムが大好きだ。
    この人は退廃したものを逐一描写することで、逆に際立つ気高さというかプライドというか、そういうものを示そうとしてるんじゃないかと思います。

  • 面白かった!果てしなく地獄絵図 !インパクト大。延々と続く暴力描写、終始「もっとこの痛みを感じろ」って訴えかけられてた気がする。
    しかし、その描写の中には人物の感情は殆どみられず、ただ延々と繰り返される情景の様な描き方で、それはワカマツのポリリズムとどこが重なる印象を受けた。
    だからか、わたし自身は暴力描写があまり好きではないのだけど、殆ど抵抗なく読めた。
    相変わらず村上龍さんは音と色の表現が純朴で美しいんだけど、その純朴さと凄惨な場面描写がアンバランスで残酷で、美しさがより一層際立つ。

    暴力描写よりなにより、一番嫌になったのは非国民村の場面。
    あの薄気味悪さっていったらもう !

    頭に描いた「恥にまみれた顔」というものが、読み終わった後もこびりついて離れない。

  • 選択肢は無限に用意されている
    何を選択するか
    国の選択はわたしの命を左右するし
    わたしの選択は国の在り方を左右する
    意思を持つ人は尊い、そして

    少尉らの思考力と決断力の凄まじさに驚愕する

  •  小田桐は気が付くと森を行く隊列を歩いていた。
     箱根の別荘に、先ほどまでいたはずが。
     周りを見回すと、日本人に似ているが混血児ばかりだ。
     
     なぜ自分がここにいるのか。ここがどこなのか。こいつらは誰なのか。
     全く分からないままに着いた先で、日本人の軍人から質問を受ける。
     貴様は誰だ。

     ここは、第二次世界大戦が終戦を迎えず、本土決戦を経た後の日本だった。

     日本国民、準国民、そして非国民。
     国土を分割統治され、人口が激減した日本を描く。


     とても村上龍らしい。
     戦後日本は、誇りを失ったと喝破している。

     国家として承認されず、精鋭のゲリラ集団と化した日本人だが堂々している。恥じることがないからだ。

     その誇りを守ったゆえの犠牲は大きい。
     誇りを守った日本人と、誇りを失い媚びて生きる日本人の対極が存在している。

     日本は戦前と戦後で断絶している。
     もしそれが連続していたならば、あなたは遅れた5分間を、進めるだろうか。

  • 仮想現実のノンフィクション、といえる作品。日本が降参していない五分後の世界でのリアリティを、村上龍らしい背徳や汚物を含め表現されている。「略語や過剰な敬語は意味を見失ってしまう。」現代への布石もある。各地でのスラム化の一方、理想的な統率体制で憧れとなるアンダーグラウンドのゲリラ日本。得るものは何もなく「小説」としての世界をそのままに見ることができる作品。

  • 5分後の世界。
    パラレルワールド。
    買って一気読み。

    今いる世界から、突然、第二次世界大戦で日本が降伏しなかった場合の世界へとタイムワープする。
    そこでは、日本は26万人となっており、アンダーグラウンドを本拠地として、国連軍と戦っている。
    主人公は、戦いに巻き込まれつつ、パラレルワールドの世界へと染まっていく。

    僕は戦争をしていた世代の次の次の世代。
    降伏した日本に慣れ切った世代。

    今ある枠組みの中で、アメリカに伺いを立てながら政治が行われる日本で生活している。
    つまり、日本人としてのプライドをなくしつつある世代。

    日本人としてのプライドってなんだろう。
    生きること、生きるために戦うことがプライドであるならば、今の生活は堕落しすぎじゃないか。(恵まれすぎているってことなんだと思う)といっても、戦いの目的は平和なんだから、戦うことがプライドのすべてではないのか。
    そんなことをつらつら考える。
    本にはふーんで終わるものもあるけど、この本は、自分ってなんだってことをガンガン押し付けてくる。

  • ブクログのレビューと、著者自らの最高傑作との評判から手に取ってみたが、『半島を出よ』ほどには衝撃を感じなかった。
    8.15で終戦を迎えず、日本人の誇りと強さを持って、いまだ戦争を継続しているパラレルワールドの5分後の世界に、最後まで馴染めないまま読み終えた。
    現代の日本に対する、作者なりのアンチテーゼなのだろうが・・・

  • 2014.10.7 am2:37 読了。村上龍は初読。今まで読んできた小説とは比にならないほど引き込まれた。残酷なシーンは多い。だけど、読んでいる最中、不思議と怖さは感じなかった。『ジェノサイド』は比較対象にならないほど残虐な場面が多々あるのに、その描写に対して嫌悪感はわかなかった。『ジェノサイド』を読んでいるとき、目を覆いたくなったのは、残虐なシーンから目を逸らしたかったのではなく、そんな残酷な事実をあまりにも簡単に描写することで済ませている小説のなかの現実と、私が今確固たる意識を持って生きているこの空間に重なるものがあったためかもしれない。世界各地で起こっている紛争などを、ほんの1,2行の言葉ですませて、知らぬ顔を通している現実に。
    ただ今この感想を書いてる最中に、残酷な描写のイメージが途切れ途切れに浮かんできて、怖くなってきた。今日は眠れないかもしれない。そしてこの本を通じてみた景色はしばらく頭から離れそうにもない。時間が経つにつれ、主人公の心情に近づいている感じがする。続編もあるそうなので、もう少し落ち着いたら読みたい。
    「すべての差別は、勇気とプライドのないところに、世界にむかって勇気とプライドを示そうという意思のない共同体の中に、その結束と秩序を不自然に守るためにうまれるものなのです」(143頁)現在の日本、自分自身の姿と重なり、ゾッとする。

    本書を読了後、何かが変わった。見える景色の色が。今まで見たことのない色。本を読んだら見える景色が変わるということはこういうことなのかと久しぶりに実感。

  • 向井理さんが、王様のブランチで紹介されていた本。
    村上龍はじめて読みました。
    描写がとても細かく、また戦争シーンということで読み進めるのが私にはなかなか困難で、きちんと一語一語読み砕いたわけではありません。
    でも、それでも気持ちにせまってくるものがあり、続きが気になって気になって、あっという間に読み終えてしまいました。
    こんなにコンパクトなのに、すごい重厚。濃厚なダークチョコレートを一粒食べたみたい、というのかな。

    ダンサーのシーン、とりはだもの。
    「生きのびていくために必要なものは食料と水と空気と武器、そういうものだけではありません。 勇気とプライドが必要です。 われわれは、この五十年間、一人の戦争ノイローゼも、自殺者も出していません。 」

    パラレルワールドだって気がつかなくて、未来の話なのかと思って読んでいたので、

  • 5分後のパラレルワールドに主人公が飛ぶストーリー。一気には読めるけど、面白さがわからなかった。終わり方も中途半端だし。

  • 正直あまり入り込めませんでした。残酷な描写が受け入れがたかったです。

  • 冒頭から強烈に物語に引き込まれた、小田桐が迷いこんだ5分ずれた世界の情勢、国民ゲリラ、第二次世界大戦で降伏しなかった日本。

    5分ずれた世界をあっと言う間に読み駆け抜ける!、その描写が次のページへと追いたてる!、面白い!。

    勇気と誇り、5分時計を進めたくなった(笑)。

  • 全編通じて、戦闘の描写ですごく疲れる。描写力はさすがと思うが面白くない。おそらく戦争を知らない世代に戦争を見せるという意図と思うがいまいち感情移入が出来なかった

  • 普段考えていたことが明確な文章として書かれていたし、ストーリーも面白かった。
    村上龍は小説で人間の本来あるべき姿を示す。たしかにそうありたいと思うしあるべきとも思うが、私には絶対になれない。私がこの世界の住人なら、退化しているだろう。
    作品の雰囲気などもあって、読後は軽い絶望感に見舞われ辛かった。

  • 「向現」の読みは「こうげん」で合ってるよね。楽しく読めた。好き。

  • 続きが欲しいところだが、だからといって読むかは分からない。初めての村上龍だったが、やりすぎてくどい、といった印象。

  • 最後の頁をめくって「え?!」というラストだった。 その世界の謎、何故彼が、どうやってそこにたどり着いたのか そして5分とは? それらの謎を最初からずーっと主人公と同じように 探り、考えてきて 「えー こんな終わり?!」というのが率直な感想。 このタイプの裏切られ感は自分は初体験w。 それらの謎と彼のその後をご自由に考えてといわんばかりで、想像力を掻き立てられる最後。  出てきた言葉で「シュミレーション」とあったけれど 確かにどこかで何かが違っていればあり得ただろう世界なのかもしれない。最初のゲリラ戦の様子はグロテスクでも耐えられたのはやはり想像の中のお話だと思うからだろう。 現在の自分があるのも過去がそういった過去であるからで 少なくとも今自分のおかれている環境が小説の様でないことに関しても含め、 自分の過去に関わった人たち全てに感謝。  

  •  ポツダム宣言を受諾しなかった、パラレルワールドの日本。これが村上龍の理想とする日本の姿……というわけでは、必ずしもないのだろう。ここに描かれている過剰に優等な日本人は、読んでいて羞恥すら覚える。なんとなくだけど、この小説からは、日本人に目を覚ませと必死で呼びかける作者の姿を感じる。某国文化のゴリ押しが叫ばれる2012年現在、アメリカに洗脳されている、とかいう主張はいまや時代遅れなのかもしれないが、アメリカでも某国でも、どこだって同じことだ。日本人が、精神的文化的に自立しないことが問題なのだ。
     日本って、国って、なんだろうな。そんなことを考えさせられる小説。
     延々続く戦闘シーンを読み進めているうちに、何か私も諦めに似たようなものを感じた。長大な分量の残虐描写によって登場人物の心情を変化させる試みだとか解説には書いてあったが、まあ、それ以前に村上龍は単に残虐描写が好きなんだろう(笑)本当にタチの悪いおっさんだよねー。
     「向現」は伊藤計劃の『虐殺器官』の痛覚マスキングを思い出した。彼も読んでたかなぁ、とか思ったりして。

  • 実際にあったこと、いた人物を持ち出して作られたフィクション。
    第二次世界大戦で日本が無条件降伏しなかった『五分後の世界』に突如出現する小田桐。

    村上龍はいつもいつも警告していた、日本人が平和ボケで無知なのは、今まで侵略をされた歴史がないからだと。
    『イビサ』や『愛と幻想のファシズム』ではそうした、言うなれば『五分前』の世界が舞台だった。

    今作は違う。 
    日本がアメリカを相手に不屈のゲリラ戦を戦い続ける世界が舞台だ。

    日本人が知り得なかったこと、無くしていったものが壮絶な戦闘描写と共に、残酷なまでに描かれている。

  • 私の中ではベスト1です。人生の節目で必ず読み返します。
    絶望的な状況下でプライドを示す彼等の強さを分けて貰えます。

  • すばらしいの一言につきます!
    世界観、人物、設定、ストーリー・・・どれをとっても自分好みでした。
    多分自分は最初から事件が始まる、序章抜きの方が好きなんだなぁ・・・
    物語冒頭からはちゃめちゃな『五分後の世界』にまんまと引き込まれました。
    もちろん止まる事なく一気読み、終わったあとは『あぁぁぁ!!!』って、体育会系の感動がありました。
    意味不明なレビューだけど自分にはわかるので良しとします。

  • 去年「半島を出よ」を読んで以来、長年食わず嫌いだった村上龍を今更ながら読んでるが、これは中でも面白かった。「半島を出よ」の原型がここにあって、けど初期作風のキレキレな文章もいい感じに残っている。戦闘シーンの異様に長くて執拗な描写はホントに凄い。こういうエッジの効いた文章は好みの別れるところだと思うが、自分的には非常に好みだ。

    そしてラスト、とにかく格好いい終わり方!

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