ナオミとカナコ

著者 :
  • 幻冬舎 (2014年11月11日発売)
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2016年 フジテレビでドラマ化。ドラマもとても面白かった。そして原作も同じように面白い。

世の中には殺さなければならない相手がいるということ、そして親友が親身になって共犯になってくれたこと、その2つのことが、まっとうに生きてきた二人の女性たちを犯罪者へと大きく変えていく。

女の友情なんて成り立たない‥昔からそう言われてきた。でも直美と加奈子は違う。まるで侍の世界のように相手を信じ、裏切らない。

二人がやったことは決して許されないことなのに、警察が迫ってくると「逃げて!」と祈らずにはないいられなかった。

登場人物の中で朱美社長という中国人がいる。影の主役といえる。ドラマでも原作でも彼女の言葉と人柄が強く印象に残っている。

『日本人は言いたいことを我慢する 。それはとても良くないのことです。 中国では黙っていたら、やられる側のままです 。どうして日本の女の人はそんなにおとなしいのことですか?〜中略〜そんな男に生きている価値はない。殺されても文句は言えません』

『(中国ではやられたらやり返す)自分でできなければ親兄弟が代わりに仕返しします。当たり前のことです。こういう時に助けなくてどうして家族ですか。 家族がいなければ近くの友達が助けます』

この言葉が親友の直美の背中を押したのだろう。強くならなければやられたままだ。直美と加奈子が犯した罪。それはほとんどが 情状酌量の余地があるものだ。自首すれば刑は軽くなる。

緊迫感のあるスリリングな展開の中で結末を迎える。結末をどう捉えるか 読み手に委ねられる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ◇ミステリ
感想投稿日 : 2023年9月26日
読了日 : 2023年9月26日
本棚登録日 : 2023年9月26日

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