世界のすべての七月

  • 文藝春秋 (2004年3月11日発売)
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本棚登録 : 304
感想 : 40
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あくまでも個人的な見方だけど、アメリカ文学らしいハチャメチャっぷり。
会話文などを通したキャラクターのリアリティーがスゴい。書いている作者の理性じゃない部分、無意識とか理性のゆらぎみたいなとこで書いてる部分と、うまく組み立てて面白くしているところのバランスがとてもいい。
村上春樹のあとがきでは下手が上手いみたいなこと書いていたけど、確かにカポーティとかと比べて構成の完成度、無駄のなさという意味では下手かもしれないが、この作家はたぶん技術としてそういう揺らぎを使っているので、リアリティーの完成度という意味ではメチャクチャ上手い。というか、すごく面白かった。
同窓会で出会う50代の男女ら、群像劇。
諦めの進行度とか戦争や政治に対する感覚とか共感できない部分もあったけど、基本的には経験値が違うだけで同じ人間なんだなぁって思ったし、その経験はリスペクトしたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年6月9日
読了日 : 2014年6月9日
本棚登録日 : 2014年5月30日

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