うちのレシピ

著者 :
  • 新潮社 (2019年2月22日発売)
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本棚登録 : 614
感想 : 74
5

ファミーユ。

啓太と真衣、両家の初顔合わせ・・・気まずいだろうなぁ。

読者もまず、この感触から。

決して長い小説でないが、6編の中に、50年以上の、ファミーユ(2家族とフレンチレストラン)の“とき“。

構成がよく、読みやすい。2家族6人の人がら、人生を垣間見た感じ。

好みとしては、⑤に出てくる4歳の“亜実ちゃん“がとてもかわいい。ほっこりする。

さてさてさん、本棚からピックアップさせていただき、楽しく読めました。ありがとうございました。

【あらすじ】(冒頭のみ)
①午前四時のチョコレートケーキ
柱時計が3時を告げる。正造さん、芳江さん、そして僕と真衣、横に座っている父は、3時間も待たされて、全員が時計を見つめる。

②真夏のすきやき
午後3時。柱時計が鳴り、芳江が予測した通りに厨房のドアが開き、真衣が話しかけてきた。

③雨あがりのミートソース
啓太は去年と違って振り向かなかった。雪生は息子の成長を感じながら、他の母親たちと教室を後にした。

④花婿のおにぎり
一時間遅れで成田空港に着いた美奈子は急いで自宅に向かう。遅刻常習犯だが今日だけは遅れられない。なぜなら今日は・・・。

⑤コンソメスープとマーブルクッキー
正造は孫の亜実を連れて、友だちのマリンちゃんのお誕生日会に行った。ところがその最中、亜実が泣き出してしまった。マリンの姉アクアちゃんに何か言われたらしいのだ。

⑥ハンバーグの日
午後3時。テーブルに額が付くほど頭を下げて帰って行く、啓太の父と啓太を私は見送った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年11月5日
読了日 : 2022年11月5日
本棚登録日 : 2022年11月5日

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コメント 4件

さてさてさんのコメント
2022/11/05

shukawabestさん、2家族6人を描く物語、とっても良いですよね。それぞれに象徴的な食べ物と人の生き方を描いていく物語。瀧羽さんならではの優しい眼差しの先に描かれた人生の物語だったと思います。
こちらこそ、ありがとうございます!

shukawabestさんのコメント
2022/11/06

さてさてさん
コメントありがとうございます。
瀧羽さん、初めて読みました。食べ物も美味しそうというかあったかそうでしたし、エピソードの入れ方がよく、キャラクターのイメージや思考、過去などが実によく伝わってきました。

さてさてさんのレビューで予約しておいてよかったです。ありがとうございました。

さてさてさんのコメント
2022/11/06

shukawabestさん、私は瀧羽さん、六冊読みましたが、京都を舞台にしたシリーズやお仕事小説なんかもあってお気に入りの作家さんになりました。お書きになられている言葉の中の”あったかそう”というのが、さまざまな側面に見える作家さんだと思います。コンプリート目指して読み進めたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします!

shukawabestさんのコメント
2022/11/06

分かりました。僕も瀧羽さんの2冊目、少し間を空けて読もうと思います。青山美智子さんは、感動がグッと胸に押し寄せてくる感じですが、瀧羽さんは、日常や平凡な生活を送っている中で、家族や恋人に対する思いがスッと入ってくる感じです。新鮮な感覚でした。あと、本作では1人の人間の中に流れる「時間」、今と“あの時“を意識しました。昨日、いい時間を過ごすことができました。ありがとうございます。

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