ルチア: クラシカルロマン (小学館ルルル文庫 は 2-1)

著者 :
  • 小学館 (2008年11月28日発売)
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本棚登録 : 136
感想 : 24
4

面白かった…。やや話が上手すぎたり、荒削りな部分はないとはいえない。作中の時間軸で絶望的な悲劇が起こるわけでもないし(まあ、ルチアにすれば充分絶望的な状況かもしれませんが…)でも、この素材をこのレーベルでこれくらい書けたらもう合格点でしょう。
主人公はありがちな姫モノの姫さま方とは違って、聡明だけど「だんまり姫」とあだ名されるほど控えめ、そして理系の王女さま。でもそれが、ただの奇をてらった設定なのではなく、物語としての必然性を帯びたものだというところが上手い。何より嫌みでなく、非常に好感が持てる。
甘さは限りなく控えめ。そこが受けいれられるかでこの作品が楽しめるかが決まるかも。恋愛恋愛するよりもしっかり自分のやるべきことを見つめる展開は好きだけど、もう少し甘くても良かった…せっかく素敵な青年が目白押しなので。正ヒーローはアギラスかと思いますが、やはりイロンデルは人気ですね(笑)個人的にはヘリファルテをラストに出してほしかった…再会を示唆する終わり方でしたが。
表紙絵も世界観によく合っていて良かった。
レーベルを感じさせない面白さでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ライトノベル
感想投稿日 : 2011年11月15日
読了日 : 2011年11月15日
本棚登録日 : 2011年11月15日

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