霊応ゲーム (ハヤカワ文庫 NV レ 5-1)

  • 早川書房 (2015年5月8日発売)
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本棚登録 : 1235
感想 : 82
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イギリスの全寮制の男子校を舞台としたホラー。閉塞的な生活の中での鬱屈、不満、いじめ、その中で育まれる友情…この思春期の同性同士の限りなく恋愛感情に近い憧れとか嫉妬は、確かにあると思う。
前半はいじめられっ子のジョナサンに孤高の美少年リチャードが手を差し伸べ、2人の仲が急接近していく。今まで自分がジョナサンの一番の親友だったのに…とやきもきするニコラスの気持ち、すごくわかる。ニコラスは最後の最後まで良い奴だった。リチャードがいじめっ子や意地悪な先生に一泡吹かせるシーンは胸のすく思いでした。しかし、後半になるにつれどんどん雲行きが怪しくなって行き、終盤破滅に向かって突き進んでいくリチャードが痛々しく、つらかった。どうにか救われてほしいと願ったけど、結局周りの大人たち含む全員が不幸になってしまった。これも、霊応ゲームで呼び寄せてしまった「何か」の呪いだったのだろうか。
なんとも悲しい物語だったけど、面白かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ホラー
感想投稿日 : 2018年3月17日
読了日 : 2018年3月17日
本棚登録日 : 2018年3月17日

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