ふな屋に助っ人に来ていた島次がお化け比べの日から寝込んでいるという。
お化け騒動は島次が仕組んだものと決めつけ、子細をはっきりさせると息巻く七兵衛。
だが、亡者を見ることの出来るおりんには、まったく見当違いの話だと分かっていた。
やがて。島次には兄である銀次が取り憑いていることが分かる。
銀次の暴走を止めるため、ふな屋に迷う5人の亡者たちもおりんに力を貸すことに。
そして。5人の亡者との因縁を持つ、新たな亡者がふな屋に現れる......!
2015年1月15日読了。
悲しい、悲しい、亡者の物語です。
誰もが、ほんの一歩道を違えれば亡者になりうる。それが怖くて、それ以上に悲しい。
おりんという少女を物語の中心に据える。そこが宮部さんの素晴らしさ。
生きているおりんと亡者となったお梅、二人の少女は光と陰を思わせます。
しかし。そのお梅が最後に亡者たちの道標となり、おりんにも光を与えます。
悲しいはずの物語にしっかりと希望の光を見せてくれていて、心がすっと軽くなりました。
やっぱり宮部さんの時代小説はいいですね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
時代小説
- 感想投稿日 : 2015年1月15日
- 読了日 : 2015年1月15日
- 本棚登録日 : 2015年1月13日
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