「だがレインフォレスト・アライアンスは最低価格を保証していないため、世界のコーヒー市場が急落してもマクドナルドは損をするわけではない。」
フェアトレードの実態に迫った本。これこそ不都合な真実だ。確かに、フェアトレードの考え方は普及したと思う。しかし、それが実践されているかは別の話だ。
企業はクリーンなイメージとしてフェアトレードを使い、貧困を宣伝材料にする。そして、貧困の解決はフェアトレード財団等に任せ、そこから先は知ろうとしない。知らなければ責任を負わないからだ。
これは消費者も同じだ。貧困の撲滅を自分から働きかけるのは難しい。お金を払うだけで、貧困撲滅に貢献できるなら、簡単に気持ちよくなれる。本当に大切なのは、消費者がもっと貧困について学び、企業が表面的に行動しているだけではないかと疑う点にある。
この本を読んで、特にカエルちゃんマークに対する意識が変わった。あのカエルマークがなくとも、貧困撲滅に望んでいる企業はたくさんあるのだと分かった。
「おまえはいい仕事をやったなとだれかに言ってもらって、それに対して代金を支払い、よそのロゴを当社のブランドの上にくっつけたいなんて、どうして私が思うんです?」
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文化
- 感想投稿日 : 2015年1月19日
- 読了日 : 2015年1月19日
- 本棚登録日 : 2015年1月19日
みんなの感想をみる