Op.ローズダスト(上)

著者 :
  • 文藝春秋 (2006年3月14日発売)
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本棚登録 : 745
感想 : 98
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福井節炸裂!! 中年刑事と少年兵器のペアが、DAIS と交錯しながら国家を、自らの魂を守る。

わくわくしながら読むから、分厚いハードカバー二冊の長編も苦ではない。くどいほどの説明を合間に挟みながら、徐々に背景と人間関係が明らかになってくる。

その頃にはもう主人公コンビに感情移入してしまい、多少の粗が見えなくなっている。

つまり、いつものパターンである。これを是とするか非とするかは考えようだけれど、今回の主役はダークヒーロー如月行とはまったく違う人間らしい弱さを持つ男。その弱さゆえテログループからはずされ、そしてそのテロと戦う。テロは彼に何を期待しているのか。その辺が一番の見所だ。

この主役の生々しさと、いつもより活躍する中年警部補がいい。カッコよさは薄らぐものの、はるかにドラマチックな小説に脱帽。長すぎる部分をカットすればなお良いと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: フィクション
感想投稿日 : 2011年9月3日
読了日 : 2010年11月23日
本棚登録日 : 2011年9月3日

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