偉大なる、しゅららぼん (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2013年12月13日発売)
3.84
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本棚登録 : 4004
感想 : 348
5

いやぁ~、相変わらず
なんという想像力と妄想力!!

いったい万城目学の頭の中はどうなってるのか(笑)
 
冒頭からワケ分からんまま
その物語の力で
グイグイ読ます手腕にはホンマ脱帽です(>o<)


舞台は日本最大のパワースポット、琵琶湖の湖畔の町、石走(いわばしり)。
この土地で現代も城に住み、
1300年にも渡り琵琶湖から授かった不思議な『力』を伝承してきた日出一族。

そして、日出家の永遠のライバルであり、
こちらも琵琶湖から授かった
ある恐ろしい『力』を有する最大の宿敵・棗(なつめ)家。

高校入学を機に石走にある日出本家にやってきた日出涼介が遭遇する摩訶不思議な日々と
棗家との対立、淡い初恋、修行の日々、
そして両家を凌ぐ巨大な力を有する謎の敵が現れ
力で力を洗う戦いの幕が切って落とされる…

といったザッツ・エンターテイメント小説です(笑)


それにしても面白かったなぁ~(笑)(*^o^*)

パタ子さん曰わく奇面組みたいな赤い詰め襟制服を着て(笑)
城から舟でドンブラコとやってくる高校生って絵柄を想像しただけで
ぷぷぷと笑いが込み上げてきます(笑)

日出家、棗家の両家ともに
心や肉体を操る力を持っているが
琵琶湖を離れるとその力が発揮できなくなるという設定も
面白い♪

主人公の涼介がいわば
一番地味なんやけど(笑)、
いつも城内を忙しなく走るパタ子さんこと藤宮濤子(とうこ)や
『力』を放つ時、下品な音を立てる(笑)
日出家の永遠のライバル、
棗家のイケメン息子、棗 広海(なつめ・ひろみ)、
ある特別な力を持ち城内でひきこもり生活を送るグレート清子など
とにかくキャラが立ちまくってるので
荒唐無稽な話なんやけど、
容易に映像が浮かんでくるんですよね(笑)

そしてなんと言っても
「ナチュラルボーン殿様」として生を受けた、
ちょっと小太りな日出本家の長男、日出淡十郎が
抜群にいいキャラしてるんですよ(笑)

人を使うことに慣れていて
不器用ながら真っ直ぐな性格は
物語が進むにつれて
なぜかカッコよく思えてくるし、
陶芸や彫刻や絵を愛す
高校生らしからぬ趣味を持つところも
レトロ趣味な自分にはツボでした。
(これ、絶対初めから映画版の濱田岳くんをアテ書きしてますよね笑)


他にもスモークサーモン入りのクロワッサンサンドや
重箱に入ったうなぎ弁当や
おろしポン酢をかけた近江牛弁当、
北海道の小樽から呼び寄せた職人による握り寿司など
お城で出される豪華な料理や
淡十郎や涼介が学校に持ってくる贅沢弁当の数々にも
食いしん坊さんならヨダレたらたらになるハズ(笑)


それにしても『物語』の力ってスゴいわ(*^o^*)

当たり前の日常を描いたリアルなストーリーの小説も好きだけど、
読めばひととき現実を忘れさせてくれる極上のホラ話(笑)も
小説の醍醐味を味あわせてくれて、
本が好きで良かったって
改めて思いました。

ラストの締め方がまた心憎くて泣けるし、
読後は最後まで読んで良かったっと言える
最高のカタルシスが得られますよん(笑)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2014年5月20日
読了日 : 2014年5月20日
本棚登録日 : 2014年5月20日

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