久しぶりに内田本を。
アレクシス・ド・トクヴィルに献呈するという
記載から始まっているので、いつもの内田節
と違うのかな?と思ったけれど、そんなものは
杞憂に過ぎなかった(笑)。
ページをめくるそばから、いつもの内田節が
さく裂!
のっけから、この本を書くに至った経緯の中で、
こうおっしゃる。
“私はもともと仏文学者であって(今ではその
名乗りもかなり怪しいが)、アメリカ史にも
アメリカ政治にもアメリカ文化にもまったくの
門外漢である。非専門家であるがゆえに、どの
ような法外な仮説をたてて検証しようとも、誰
からも「学者としていかがなものか」という
隠微な(あるいは明確な)圧力をかけられる心配
がない。”
“この立場はアメリカを論じる場合には、単に
「気楽」というのを超えて、積極的に有利な立場
ではないかと思い至ったのである。”
この割り切り(と言うか、開き直り?)ぶりが、
ある一定の読者層をとらえて離さない理由の一つ
なのはまちがいない。
そして、この一冊は、うんうんと頷くことよりは
「うわー、そう来たかぁ!」と思うことが多かった。
そのうちの一つが、アメコミを題材にした第3章で
展開したアメリカン・ヒーローが象徴するものと、
日本のヒーローのそれとの比較。
そんなのアリ?と思いつつ、最後は納得してしまう。
また内田マジックにやられた。
そう言えば、偶然にも昨日(5月29日)の朝日新聞
土曜版beに、内田センセイの凛々しい姿が。
- 感想投稿日 : 2018年11月18日
- 読了日 : 2010年5月29日
- 本棚登録日 : 2018年11月18日
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