泣ける話と分かっていたので、泣くものかと身構えて読みましたが……ダメでした。涙腺にきた。
中世西洋風の貴種流離譚ファンタジー。奴隷の少年リィトに救いの手を差し伸べたのは、非の打ちどころのない素敵な黒衣の騎士グリファス。イラストで見ても、とても素敵。
そして、真面目すぎて、いい人すぎ。だから、無自覚のうちに相手を傷つけてしまうどうしようもないところがあるのかも。
そんな彼を信じて、好きで好きで子犬のように付き纏うリィトは、純真無垢でほんとかわいい。もう、いい子だし、健気だし。
報われないことが余りにもありすぎて、読んでいて、こっちの方が抱き締めてやりたくなります。感情移入しまくりです。
グリファスには、中盤までずっとジリジリさせられました。自分の気持ちにものすごーく鈍なので。でも、毎回かなり遅ればせながらも反省している感じが、まあ救いかな、と。
この二人を取り巻く人々も、敵以外は悪い人が登場せず、さり気なく二人をサポートするあたりはホッとする展開ですが、基本ずっとリィトのつらくせつない旅の道中が綴られています。リィトの胸のうちを考えると、涙なしに読むのはムリです。
リィトが無事なら最後の結ばれるシーンはなくても我慢するよ、くらい私は話に入れ込んでしまいました。
もちろん、結ばれてhappyendがいいに決まってるけど。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
六青みつみ
- 感想投稿日 : 2010年12月1日
- 読了日 : 2010年12月1日
- 本棚登録日 : 2010年11月29日
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