森見登美彦を柔らかいエンターテインメントにするとこんな感じになりそうだ。自意識肥大で自分勝手でしかし現実逃避の主人公が大活躍?のファンタジー。主人公はまことにイヤな奴だし、シリアスな背景もあるのだけれど、その文体のせいで、ムカツキもせず、深刻にもならず、サクサク読める。好きなタイプのバカ本。面白い。

2010年9月12日

読書状況 読み終わった [2010年9月12日]

ミニバイクレースにかける高校生の青春ストーリー。なんだが主人公の暗黒面への堕ちっぷりに耐えられる人じゃないとこれはつらい。しかし面白い。若年層向けのピュアフル文庫で出ているが、これはミック・ドゥーハンやギャリー・マッコイをリアルタイムで見ていた30代以上の人の琴線に響くのではないか。ちなみに中学生に読ませようとしたらカタカナがわからないと言って逃げてしまった。ところで新聞は「奔る」とは書かないだろう。「奔る」と書きたいのはわかるが、引用のところは「走る」と書いてほしいな。

2010年9月11日

読書状況 読み終わった [2010年9月11日]

こういうのも書けるんですね。三崎亜記ワールドの中であり得ない身体能力であり得ないスポーツ「掃除」をするわけだけれども、よく考えなくてもほとんどのスポーツについて一流選手の動きや瞬間的な思考など全く想像がつかないわけで、これはありだなと思った。熱血、友情、師弟、家族などポイントはいろいろあるのだけれど、僕が最も重要だと思うのは、女子がみなかわいいということであります。青春だね。

2010年5月23日

読書状況 読み終わった [2010年5月23日]

途中まではほのぼのコメディー、最後に至るまで軽妙なタッチでサックリ読めるけれど、テーマはシリアス。今日はマイケル・サンデルを読んでこれを読んで、正義論ばかり読んでいるような気がする。ところで、戦争をやれという人たちは前線に立たない人たちだとステレオタイプにこの主人公も言うけれど、それは政治家や文化人よりも、より前線に近い人にあてはまると僕は思う。凶悪事件や重大事故に対して、遺族感情や市民感覚を持ち出して厳罰を求める市民たち、それを肯定し持ち上げるメディア、そして理解を示す政治家という構図は、戦争をやめられない構図と同じだと思うんだ。

2010年5月25日

読書状況 読み終わった [2010年5月25日]
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