花の鎖

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年3月8日発売)
3.55
  • (199)
  • (599)
  • (596)
  • (111)
  • (23)
本棚登録 : 3997
感想 : 627
4

何かすごく感動しました。湊さんの作品の中で一番感動的でした。と言ってもまだ数冊しか読んでませんが・・。
「花の鎖」まさにタイトル通りの作品ですね。花・雪・月が並行して書かれているのでわからなかったのですが、三世代の親子の話なんですね。最初は繋がりがなかった関係が次第に繋がっていく・・・・湊さん特有の展開にさすがだなと思います。
先日よ読んだ「少女」もそうですが、こういう作風は大好きです。祖父母、両親、自分と深い繋がりを綴りながら、人の心の奥底まで表現されて、それが花の鎖と繋がっていく展開は凄いですね。
しかも、人が殺されどうのこうのという陰惨なものではなく、ある意味、人との繋がりの中で起こった偶然を題材により深く心理を表現していく作品は面白いですよね。
登場人物の心に潜む憎悪と、それを慰める花の鎖が何かすごく印象的です。コマクサ、りんどう、コスモス、色んな花が出てきます。それぞれがそれぞれの世代の花として繋がっていくのが本当に素晴らしいと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2016年7月26日
読了日 : 2016年7月26日
本棚登録日 : 2016年7月26日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする