シリーズ・企業トップが学ぶリベラルアーツ 宗教国家アメリカのふしぎな論理 (NHK出版新書 535)

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  • NHK出版 (2017年11月8日発売)
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感想 : 28
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アメリカという国を宗教という観点から解説しているんだけど,とにかくわかりやすい.ニュースで何となく感じる違和感の裏にはこういう論理があったのかと腹に落ちた.

キリスト教がアメリカで「土着化」する過程で,「人の声=神の声」という考え方が広まり,成功を収めた人=神に祝福された人という考えるようになった.成功を収めた人は「みんなやればできる!」のだから,政府は小さい方が良いと言う.
でもみんながみんな頑張れる訳じゃないし,頑張れる時もあれば頑張れない時もある.給与明細を見て「一生懸命働いて得た給与なのに,何でこんなに税金引かれるのよ!」と思うけれど,私が今頑張れていること自体,多かれ少なかれ国家,そして支えてくれる色んな人のお陰であり,それに対する感謝の気持ちと考えれば良いのかな.そして,自分だっていつか国家に助けてもらう時が来るのだ.

アメリカはこれまで負けたことがないから,その思い上がりが「反省なきポピュリズム」を招き寄せたという指摘は面白い.戦争は良いことではないけれど,日本は敗戦したからこそ反省し,今日の姿があるのかなと思った.

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書
感想投稿日 : 2018年2月25日
読了日 : 2018年2月23日
本棚登録日 : 2018年2月23日

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