若い起業家(思想家?)の本を久々に読みましたが、なかなか良かったです。とても理論的な文章で、シニカルなタイトルに騙されること勿れ
まず、坂口さんの、法律や教育や鬱に対する敬意がとても意外でした。
「何かを変えようとする行動は、もうすでに自分が匿名化したレイヤーに取り込まれていることを意味する。そうではなく、既存のモノに含まれていそうなレイヤーを認識し、拡げるのだ。」
経歴だけ見てしまうとてっきり、世界を丸ごと変えてしまおうと目論む革命家のような先入観を持ってしまうけれど決してそうではない。
今ある素材、今持っている素材で価値を産み出すというのは極めて現実的だし、大言壮語よりもよっぽどカッコイイですよね。(あぁそういえば0円ハウスだって元々は同じ発想か)
ただその反面、人に対する敬意があまり感じられなかった。
「人間というものは分かり合えない。だから空気なんかを読むわけだ。」
これだけの人を巻き込んでいるのに、そんなこと言うなよ!と読みながらツッコミを入れました。
吉本さんや養老さんの言う「大勢の人が集まる所に大切なものはありそうだ」という哲学(今のところはボクはこっちがいいなと思っている)とは真逆の道に生きるような人で、それをただカッコイイと思うためだけでも読む価値はあると思います。
ただ、読んだからには自分なりの価値観と照らし合わせたくなるような、そんな刺激的な作品
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年7月21日
- 読了日 : 2012年7月21日
- 本棚登録日 : 2012年7月21日
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