吾輩は猫である (岩波文庫 緑 10-1)

  • 岩波書店 (1990年4月16日発売)
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感想 : 142
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朝日の連載終了。子どもの頃読んだ記憶はあったけど、ほとんど内容は覚えていなかった。こんな話だったっけ?と言うより、この内容は子どもの頃は半分も理解できなかっただろうな、と思う。今回の連載では分かりにくい語句の説明もあり、ときどき時代背景だとか、漱石やその周辺の人物の解説もあってより分かりやすかった。寒月君が理学博士取るために珠を磨いていることとか、実際そういう分野に足を突っ込んでみた人間としては良く分かる。猫が語るというより、途中から、西欧近代(当時の現代)社会とそれに近付く日本社会への思いだとか批判だとか、そう言ったものを登場人物たちに語らせているというお話になっていて、新聞連載らしい社会性のあるお話だったのだと気付いた。最後に吾輩が酔っ払って甕に落ちて死んでいくところは何となく覚えていたような気もするが、連載終了というのと合わせて突然で寂しい終わり方です。南無阿弥陀仏。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2017年3月28日
読了日 : 2017年3月28日
本棚登録日 : 2016年4月19日

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