スカッとしたくてまた池井戸潤の本を買ってしまった。池井戸潤の小説を読むのは13作品目だが、今回の「不祥事」はテレビドラマの「花咲舞が黙ってない」の原作の一部だと聞いていたので小説の方向性は知っていて読んだ。期待通りの痛快なストーリーでスカッとしながら、一気に読み終えた。
銀行の元テラーで今は各支店の臨店指導を業務とする本部事務管理グループの花咲舞28歳が主人公。銀行で起こる理不尽な問題や事件を社内の上下関係に臆することなく、言いたいことを言って正論で解決する。しかも応援でテラーに従事する時も誰にも負けない桁違いの実力を見せつける。それでいて優しい気遣いでどんどん味方が増える。まさにサラリーマンが考える理想を見せてくれるのである。
8編の短編集でありながら、全部繋がっている長編小説として楽しめる。
2004年に単行本として発表されたということだが、続編がないのが寂しい。主人公を変えた銀行不祥事小説はその後いっぱい出しているので、花咲舞シリーズも続編が欲しい。ただ池井戸潤の銀行小説を読んでると銀行ってこんなに酷いのかと偏って思いそうだが…
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年1月23日
- 読了日 : 2019年1月22日
- 本棚登録日 : 2019年1月17日
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