有川さんの描く大人は格好いい。
それは架空のヒーローの輝きとは違う。
ミーハーだったり、ちょっと拗ねてたり、冗談も言うし失敗もするけど、絶対にぶれない。そんな強さ。
押しつけがましくなく相手に手をさしのべて、つかんだ手を力強く引っ張り上げてくれる。黙って隣にいて優しく頭をなでてくれる。そんな優しさ。
『空飛ぶ広報室』は航空自衛隊航空幕僚監部広報室を描いた作品。
自衛隊に広報なんてあるんだ‥というところから出発し、こんなに全力で宣伝しているのにどうして印象に残っていないのか…と、かなり落ち込んだ。
受け取り側の問題も自分たちの努力不足と考える広報室の方達に頭が下がる。
そしてどこまでもまっすぐでぶれない姿に憧れる。
「あの日の松島」の中でリカが気付くことは全て私にも衝撃だった。
「僕たちの活動が国民の安心になるように伝えてほしいんです」
こんなこと私は今まで考えたことすらない。
日々訓練をしながらもその訓練が無駄になるよう祈る人達がいること、崩れ落ちそうな誰かを同じ場所から支えようと手を伸ばしてくれる人達がいることを私もずっと覚えていたい。
そして今度こそ発信されている情報を受け取りたい。
そう思った。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年3月18日
- 読了日 : 2013年3月18日
- 本棚登録日 : 2013年3月18日
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コメント 2件
まろんさんのコメント
2013/03/19
takanatsuさんのコメント
2013/03/19