細雪(中) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1955年11月1日発売)
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本棚登録 : 2492
感想 : 136
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上巻より濃密な中巻です。この巻のお気に入りシーンは、酢豆腐というギャグを言ったにも関わらず姉妹たちに全く通じずにスルーされた貞之助です。貞之助兄さん好きなキャラです。冷静で頭の回転も早く、何より妻の幸子のことをとっても大切にしてる感じ。幸子はほんと良い旦那さん捕まえましたね。
今回はあまり雪子に目立った動きがないかわりに、怒涛の展開だったのが妙子。この時代に妙子ような性格の女性は窮屈だっただろうなぁと思いました。妙子の言い分は現実的で理にかなってるし、板倉も蒔岡家の皆様が反対するほど悪い男でもない気がします。妙子が事件ばっかり起こすのは、雪子が片付かないのに妙子は結婚しちゃだめ!っていう古い蒔岡の考え方のせいでもあると思いますし。妙子四姉妹の中で一人だけ毛色が違うので一番魅力的にみえます。そりゃモテるだろうなという感じです。
しかし水害のシーンは迫力ありましたね。実際に水浸しになった町を見ている気分でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: た行作家
感想投稿日 : 2016年3月6日
読了日 : -
本棚登録日 : 2016年2月28日

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