マレー鉄道の謎 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2005年5月13日発売)
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感想 : 222
5

時刻表トリックではありません。

大学時代の友人・衛大龍(ウイ タイロン)に招かれて、火村とアリスはマレーシアの高級リゾート地、キャメロン・ハイランドを訪れた。
今回も、彼らの旅の描写は、なんとも旅情を誘う。
マレーシアに行きたくなってしまった。

さて、彼らの訪れる1週間ほど前に、マレー鉄道で、二重追突事故の悲劇があった。
火村とアリスは、その関係者たちと知り合うことになる。

一つ嘘をつくと、その辻褄を合わせるために、どんどんと嘘をつく事になる。
殺人もそれに似ている。
このお話は、料理は完成したのだが、さらに魔法のスパイスをかけて味変したところに意表をつかれた。
火村たちには、後味が良くなかった(というか、胸クソ?)かも知れないが。

鉄道事故が呼び起こす、過去の因縁。
この事故がなければ、真実は眠ったままだったのか?
いや、神様は見ていたのだろうなあ〜
神様も赦さなかったのだろう。
そのために、余計な犠牲も出てしまったが・・・

声なく身を焦がす蛍たちには、ぜひとも幸せになってほしいものです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年9月5日
読了日 : 2022年9月5日
本棚登録日 : 2022年9月5日

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