ルーズベルト暗殺計画 下巻 (新潮文庫 ロ 14-9)

  • 新潮社 (2008年2月1日発売)
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感想 : 3
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下巻では、フランクリン・ルーズベルト大統領にさらに接近するために用意周到な準備を進める暗殺者を克明に描く。そこにあるのは合目的のために効率化されたプロセスを淡々とこなすプロフェッショナリズムそのものであり、感情のブレが全くない。ややリアリズムに欠くが物語としてのテイストは、爽やかである。

さて、史実ではフランクリン・ルーズベルトは唯一4選され、在任期間4422日の大統領であり、大戦前から戦中を牽引してきた。その生涯は、第二次大戦終戦間際に脳卒中で閉じたとされる。

死後は、副大統領のトルーマンが慰労なく引き継ぎ戦後の体制は米ソの二大国が両陣営に分かれて覇権を競う構図となる。

本作の大統領の暗殺計画は誰により企図されたか?と言う謎は、戦後を史実として知っている我々には、府落ちが難しいが、戦中のイギリスの奮戦と戦後の世界体制の中での位置付けを思うに動機は、なるほどと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年3月16日
読了日 : 2015年3月16日
本棚登録日 : 2015年3月8日

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