篠田節子の大好きな(?)オカルト物。人智を超えたレベルの音楽の才能と念力という2つの超能力を持った少女をめぐるいろいろ。
同じようなテーマで「カノン」という作品があり、いずれもチェロが題材になっているので、おそらく著者は以前にチェロをやっていたのだろうということが推測される。「カノン」に比べると、チェロにまつわる文やバッハの曲などのウンチクが、明らかに必要以上に多いし、その一つ一つにトゲがあって厭味ったらしいので星一つ減点。
また、オカルト系によくある話だが、障害者や脳に対して、夢を持ち過ぎである。その辺はオカルトということで流すが。
全体には一筋通っていて、読みやすいしのめり込める作品となっている。主人公が読者を何度か裏切る辺りもスリリングで良い。同じく長編の「カノン」で気になった、訳の分からないイベント(不倫など)も無く、適当なボリュームであった。
ところで、女性作家の作品って、まず事後の情景を描いて、途中や最後でそこに到達するという作品が多いのだけど、小説の書き方教室みたいなのって有るの?この作品では、その部分が蛇足という感じしかしなかったのだけど。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ファンタジー
- 感想投稿日 : 2015年3月7日
- 読了日 : 2015年3月7日
- 本棚登録日 : 2015年3月7日
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