東京物語

著者 :
  • 集英社 (2001年10月26日発売)
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感想 : 72
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読み始めは短編集なので、どうかなと思っていたが、なかなかおもしろかった。ハラハラドキドキ感はないが、若い久雄に共感するところもある。

以下、ネタばれ。

6つのストーリーの短編集だが、すべての主人公は田村久雄。名古屋から東京に出てきた若者。
「あの日、聴いた歌 1980/12/9」
ジョン・レノンが殺害された日。大学を中退し、コピーライターとして働き始め、やりがいを感じている。
「春本番 1978/4/4」
大学入試に失敗し、予備校に入学するため両親に反対されつつも東京住まいを始める。キャンディーズが後楽園球場で解散コンサートをする日に、孤独に耐えかね、友人を探し回る。
「レモン 1979/6/2」
大学に入学し、演劇部に入部する。江夏卓が阪神戦で初登板をする日。演劇部の同級生とのいざこざから恋の予感。
「名古屋オリンピック 1981/9/30」
仕事が充実してきて、部下(同い年と1歳年下)ができ、仕事にできなさに怒りながら、自分のことも考える。上司とは何だ?部下を育てるには?
「彼女のハイヒール 1985/1/15」
2年前に会社から独立し、フリーのコピーライターとして仕事をしている。母親が上京し、食事に誘われるが実はお見合いだった。相手も名古屋出身の同い年の洋子。お互いにいやいながらデートをするうちにうち解け、恋の予感?
「バチュラー・パーティー 1989/11/10)
恋人の恵理子と週末を一緒に過ごしている。仕事は仲間数人と会社を立ち上げ、いなやクライアントに引きづり回される。お金のためだから。友人の結婚前のパーティーにも遅れてしまう。恵理子も会場で待っていて1週間早いバースデープレセントを渡される。1週間早い意味を聞かされ、幸せな気分になる。ベルリンの壁が崩壊した日、青春から人生への一歩を踏み出す。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2014年11月25日
読了日 : 2014年11月24日
本棚登録日 : 2014年11月25日

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