『獏鸚』に続く海野十三の短編集。
前作『獏鸚』はSFっぽさを残しながらも、古き良き探偵小説の範疇に留まっているのに対し、本作は『日本SFの先駆者』としての側面が色濃く出た、SFミステリ(奇想ミステリ)の短編集となっている。
ディストピアSFとその崩壊を描いた『十八時の音楽浴』、グロテスクな怪奇小説『生きている腸』、曰く言い難い読後感を残す『三人の双生児』がお気に入り。また、ショートショート集『蠅』『顔』、スパイものの冒険小説『盲光線事件』など、作風のバリエーションも広かった。
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- 感想投稿日 : 2015年9月29日
- 読了日 : 2015年9月29日
- 本棚登録日 : 2015年9月10日
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