『オペラ座の怪人』『黄色い部屋の謎』で知られるガストン・ルルーの怪奇小説短篇集。『船乗りが自分の体験した恐怖体験を語る』という設定の連作と、単発の短篇が収録されている。
『恐怖夜話』と銘打たれているが、基本的には最後に合理的な解決がなされるミステリ的構造を持っており、大衆小説で名を成しただけあってどれも上手い。
恐怖というよりは老女の切ない運命を描いた『金の斧』、アメリカン・ホラーを思わせるサイコな『胸像たちの晩餐』、全8編中最もミステリ寄りな『ノトランプ』、ちょっとした悪戯心が皮肉な結末を迎える『蠟人形館』……と、1冊の短篇集でこれだけ印象に残る作品が多いのはちょっと記憶にない。
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- 感想投稿日 : 2014年5月18日
- 読了日 : 2014年5月18日
- 本棚登録日 : 2014年5月16日
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