本著の白眉は5章「戦争を支持したのは労働者、農民、女性だった」である。現代でも実現しない二大政党制が約100年前には実現しており、そこから第3極としての社会大衆党が台頭してくる過程。それを当時の国民が社会民主主義を要望していた証左とし、結果、総動員体制としての国家社会主義へと発展していったという解釈は全く認識がなかった。
確かに戦争はある種の平等社会をもたらすのかもしれない。その善悪には賛否があるだろうが。
尚、本書の特徴は「作中の人物が見たり聞いたり考えたりした事だけから歴史を再現している」という点であり、歴史の全体像を描いているわけではない事に留意する必要がある。
(そもそも、どう逆立ちしたって全体像など描く事は不可能なんだが。)
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- 感想投稿日 : 2019年8月1日
- 読了日 : 2019年8月1日
- 本棚登録日 : 2019年8月1日
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