行動経済学という分野ができて、
これまでさまざまな心理的バイアスが研究・整理されてきた。
例えば、
・児童が食堂のどのおかずを取るかは、並び方に左右される
・どれだけ食べるかは、器の大きさに左右される
・選挙の結果は、ポスターの顔から予測されるものとほとんど同じ
・失うことはその費用のだいたい倍の価値に感じる
・先のことを考えて貯金や保険に入るのは難しい
この本では、それを社会システムの設計に使うための、
実例、提言で構成される。
ただ、実践的な使い方は、ほとんどが
・初期値(デフォルト)を多くの人にとって安心なものする
というもので、あまり目新しくない。
この本の中でも紹介されている
『誰のためのデザイン?』
に書かれている、使いやすい工業デザインを、
モノ以外に応用しただけに見える。
というわけで「実践」の部分はもう少し他の心理学の応用が見たい。
この本で本当にためになったのは、次の点。
おかずの並べ方、入力フォームのデザイン、何かを話す順番、
そんな何気ないことで人の選択は影響される。
そういう意味で、私たちの誰もが「選択アーキテクト」になりうる。
選択の仕組みの設計を間違えると、
悪気がなくても、人に不適切な選択をさせるかも知れない。
何かを提示するとき、その選択設計に無頓着であったことを反省した。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年1月9日
- 読了日 : 2014年1月8日
- 本棚登録日 : 2014年1月9日
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