大学受験前に古代の王様などを呪文のように唱えていた頃から既に干支は一回り、教科書の記述の変貌ぶりに驚いた。
特に、いわゆる「中世」。時代を牽引していたのはイスラームであり、ムスリム商人の交易活動や、イスラーム世界との戦争を通して、技術・もの・思想の交流が活発に行われたことに言及されている。
その後の時代の発展にしても、アジア・インド産の香辛料生糸綿、アメリカ大陸からの銀、作物(トウモロコシ、ジャガイモ、トマトなど)は不可欠であったし、ルネサンスに「中世の文化の継承・発展という面もある」、産業革命も「ただしイギリスの国民生産の年成長率は1.3%程度しかなかった」との補足がある。
すなわちヨーロッパ中心の歴史観や、個々の地域の歴史の集合から脱し、世界規模の交流および交易をめぐる激しい競争という視座から歴史をとらえようという一貫とした姿勢が鮮明である。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
hisotory&society
- 感想投稿日 : 2014年10月26日
- 読了日 : 2014年10月26日
- 本棚登録日 : 2014年10月26日
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