マイケル・ポーターがCSV(共通価値の創造)を提唱したのが2011年だったと思っています。ちょうど同じタイミングで書かれたNTTデータの現役社長による著作です。学者の理論ではなく経営者の実践の書であることに感動を覚えます。今回、初めて知った「貢献力」というキーワードも優れていると思いました。昨今CSVを語る企業人も少しずつ増えているとは思いますが、東日本大震災の前にこんなに社会価値をテーマにして日々の活動を行なっている会社があったなんて。その秘密は元・電電公社という特殊な出自にあったのだと理解します。もともと国の会社という位置付けのパブリックカンパニーが、中曽根民活路線で1985年に民営化されNTTになり、その赤字事業であるコンピュータ部門が2年後に切り出され必死に利益を追求してきたのがNTTデータという会社です。社会のインフラとして公益性を魂とする会社が民間として筋肉質に利益体質になって結果、本業によって社会貢献をするという存在になろうとしている記録です。そのストラグルは、いま「働き方改革」の時代になってますます貴重な先駆的事例なのだと思います。自分の仕事に当てはめながら読んでしまいました…
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- 感想投稿日 : 2018年8月5日
- 読了日 : 2018年8月5日
- 本棚登録日 : 2018年8月4日
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