やっぱり変だよ日本の営業

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2009年3月1日発売)
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感想 : 17
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著者の宗さんを知ったのは、宗さんが日経関連のサイトで執筆していた連載記事が切っ掛けでした。
その記事を読み、その内容に信頼感を抱いた事を覚えています。
本書はその宗さんが、精神論が幅を利かせて不合理な事がまかり通っている日本の営業実態を指摘し、その改善策を提案している一冊です。
ちなみに、執筆されたのが2002年と今から10年以上前ですが、私が読んだのは2006年発行の23刷。
結構なベストセラー、ロングセラーとなっています。

内容に関してはiモードの活用など、10年以上前に執筆された本らしい時代を感じさせる箇所もあります。
しかし、営業のための技術の具体的な説明ではなく、なぜこの様な技術を用いるのかと言う本質的な事に重点を置いて執筆された本である事が簡単に分かる文章となっています。
その為、時代が変わり、使われる技術が変わっても参考になる内容が多いのではないでしょうか。

構成は5章からなり、1章から3章までは

・アンケート方式を用いる事によって現場からの報告を、日報と言う文章(=アナログ)から分析、グラフ化などがしやすい数値データ(=デジタル)に置き換える。
・情報共有や報告を求めるのであれば、その目的をはっきりとさせておく。

等、経営者や管理職が「何となく、○○をする」「○○は大切なので、とりあえずやっておく」と言うのではなく、自分の事業のゴールや実態をきちんと把握した上で、

現場から入手したい情報の明確化
共有する必要がある情報の明確化

等を行う必要があると指摘しています。
つまり、経営者が何となく良さそうな事をするのではなく、本当に利益向上に役立つ事を明確にし、それを実行する必要があると主張しており、またそれによって現場の営業の成果も向上すると述べています。

そして4章では、宗さんが創業した企業「ソフトブレーン」の製品を紹介しています。
尚、本省の冒頭で、この章の内容に対して「なんだ自社製品の宣伝かよ」と思われた方や、あるいは技術論には興味のない方等はこの章を読み飛ばして頂いても一切問題が無い旨記載がありますので、前述に該当する方は本章を読み飛ばして最終章である次章を読まれると良いでしょう。

そしてその次章である5章では、長篠の戦等を引用した総括的な内容が記載されています。

冒頭で書いた通り、10年以上前に執筆された本ですので若干古臭い内容もあります。
しかし、そのコアとなる部分は人間そのものに関する内容であり、その為、今は勿論、今後も参考になる物です。

一読の価値ありです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年9月29日
読了日 : 2013年9月29日
本棚登録日 : 2013年9月29日

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