財政学から見た日本経済 (光文社新書)

著者 :
  • 光文社 (2002年10月17日発売)
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感想 : 16
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金子勝が、経済学のいいところは最後には現実主義的に物事を見れるところだって言っていたけれど、まさにそんな感じの本だった。

今の日本は都市部から多く税金をとっていて、それを受益しているのは地方ばかりという状態であり、国として経済発展するためには都市部に税金をつぎ込むべきだと著者は提案し、そのための地方の市町村の統廃合はある程度しかたないとさえ言っている。

確かに地方自治体は財政の面では国からの圧力に雁字搦めらしいが、今地方自治の独立を唱っている橋本知事や東国原知事らに代表される地方自治体の声は、日本全体の発展を考えてのことなのかどうかが問題だと思う。彼等の発言を聞いていると、自分の地域の発展のみを考えているようにしか思えない。この本によると、財政面での独立をすると、国からの補助金の減額や地方債を国が肩代わりすることをやめたりで、自己責任が主な考えとなり、地方の財政はより厳しくなるのではないでしょうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2009年11月25日
読了日 : 2009年11月18日
本棚登録日 : 2009年11月18日

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