リトル・アリョーヒンと呼ばれた、彼のチェスと歩んだ一生
少年時代に初めてチェスを教えてくれたマスター
デパートの屋上にかつて飼われていた象のインディラと、壁と一体になった少女ミイラと、マスターが飼っていた猫のポーン
それらがリトル・アリョーヒンの数少ない友人でありながら、彼にもたらしたチェスを奏でていく上での力強さ
のちにパシフィック・海底チェスクラブでの人形の“リトル・アリョーヒン”の中に入りチェスをうつ日々で
肩に鳩を乗せた少女ミイラとの出会いと、別れ。
山頂にある老人専用マンションエチュードでの”リトル・アリョーヒン“のひそかな活躍
いつまでも、彼の奏でる盤の上で繰り広げられた駒たちよる詩句は、語り継がれた。
「慌てるな、坊や」
マスターの優しさにあふれた言葉が、どんなときもふとよみがえる。
チェスをあまり知らなくても、やわらかな音楽のような流れる文章に引き込まれる。
なんだか切ないけど温かい。
これだから小川洋子氏はたまらないよね。
読みすすめるにつれてドカンとやられる感動を味わうには
ちょっと本が分厚いかな…
だけど読み終えるのがもったいなくなる)^o^(
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
2012
- 感想投稿日 : 2012年8月19日
- 読了日 : 2012年7月9日
- 本棚登録日 : 2012年7月9日
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