猫を抱いて象と泳ぐ

著者 :
  • 文藝春秋 (2009年1月9日発売)
3.96
  • (628)
  • (620)
  • (454)
  • (85)
  • (28)
本棚登録 : 4265
感想 : 780
5

リトル・アリョーヒンと呼ばれた、彼のチェスと歩んだ一生

少年時代に初めてチェスを教えてくれたマスター

デパートの屋上にかつて飼われていた象のインディラと、壁と一体になった少女ミイラと、マスターが飼っていた猫のポーン

それらがリトル・アリョーヒンの数少ない友人でありながら、彼にもたらしたチェスを奏でていく上での力強さ

のちにパシフィック・海底チェスクラブでの人形の“リトル・アリョーヒン”の中に入りチェスをうつ日々で
肩に鳩を乗せた少女ミイラとの出会いと、別れ。

山頂にある老人専用マンションエチュードでの”リトル・アリョーヒン“のひそかな活躍

いつまでも、彼の奏でる盤の上で繰り広げられた駒たちよる詩句は、語り継がれた。

「慌てるな、坊や」
マスターの優しさにあふれた言葉が、どんなときもふとよみがえる。

チェスをあまり知らなくても、やわらかな音楽のような流れる文章に引き込まれる。

なんだか切ないけど温かい。
これだから小川洋子氏はたまらないよね。

読みすすめるにつれてドカンとやられる感動を味わうには
ちょっと本が分厚いかな…

だけど読み終えるのがもったいなくなる)^o^(

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2012
感想投稿日 : 2012年8月19日
読了日 : 2012年7月9日
本棚登録日 : 2012年7月9日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする