GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン (1)上 (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2008年9月10日発売)
4.13
  • (153)
  • (111)
  • (97)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 1393
感想 : 98
3

巨大航空都市艦の「武蔵」に暮らす葵(あおい)・トーリという少年と、彼の過去にかかわりをもつ自動人形の少女であるP-01sを中心とする壮大な物語のはじまりとなる一冊です。

武蔵アリアダスト教導院の学生であるトーリは、バカなことばかりしながらも生徒たちから慕われていますが、そんな彼には、過去にホライゾン・アリアダストという少女をうしなうという、つらい過去がありました。そんな彼と教導院の学生たちの運命を大きく揺るがす事件がとつぜん起こります。それは、ホライゾンの父である松平・元信(まつだいら・もとのぶ)が、地脈炉を暴走させ、三河を消滅させたことでした。そして彼の口から、P-01sにまつわる思いもかけない事実が語られ、世界の運命を一身に引き受ける立場に置かれたP-01sは、「聖譜連盟」(聖連)によって身柄を拘束されてしまいます。

第一巻から、すでにライトノベルとしてはかなり厚めの造本になっていますが、ストーリーの背景をなす膨大な世界設定の説明と、主要なキャラクターの紹介、さらにストーリーの起点となる三河消滅という事件をえがくのに終始しており、本格的な物語の動きはまだはじまっていません。主人公のトーリは、前作「終わりのクロニクル」の佐山・御言とは異なるタイプですが、ギャグとシリアスの振幅の大きさは前作以上で、純粋にたのしんで読むことができました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 少年向けライトノベル
感想投稿日 : 2022年1月2日
読了日 : -
本棚登録日 : 2022年1月2日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする