下巻では、日本刀の性質などを詳しく検討して、「南京百人斬り」の嘘を鋭く指摘しています。
南京大虐殺を否定する言説に、中国人には「白髪三千丈」に代表される誇大な物言いがあることを指摘する人がいますが、こうした意見を著者は厳しく批判しています。
「虚報を発し、虚報に感激し、美談やら感激やら懺悔やらで自らをごまかし、徹底的に事実を究明せず、すべてを「自決セエ」という形で隠蔽し、公開の軍法会議すら持ちえなかったわれわれ」の側にこそ、責任はあるのであり、戦時中に虚報に酔った私たちが、戦後2人の少尉に無実の罪を着せて死に追いやったのだと述べられています。
ここには、「空気」に流され、「時代の論理」の前になし崩し的に従ってしまう日本人の、戦時中も戦後も変わることのない病弊に対する厳しい批判があるように思います。
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歴史・地域・文化
- 感想投稿日 : 2014年2月3日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2014年2月3日
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