「あとがき」で著者は、「歩鳥と亀井堂の因縁の師弟関係を中心に描きました」と述べており、まず「夢現小説」で高校時代の静がえがかれるとともに、歩鳥が彼女の小説の読者となる経緯が明かされます。
一方「夢幻小説」は、おなじく歩鳥と静の関係がえがかれながらも、歩鳥が彼女の存在しなかったパラレル・ワールドに紛れ込むというSF仕立てのストーリーのなかで、二人の関係が重要な役割を果たす作品になっています。
「赤」は、夏休みの補講中に歩鳥が偶然出会った卒業生の室伏涼(むろふし・りょう)と再会し、二人で森秋先生の実家を訪問する話です。本作で提出される謎の解決はえがかれていませんが、これはこれできれいにまとまりがつけられていると感じられるところに、著者の手際のよさが示されているように思います。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
青年コミック
- 感想投稿日 : 2021年4月18日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2021年4月18日
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