読もうかどうしようか、躊躇していた本。
丁寧な文章で、児童虐待をテーマに書かれています。
5つの短編の中には虐げられている子供に目を向けたものもあれば、虐待している母親の語りの作品もある。かつて虐待を受けた娘の話もある。虐待の連鎖はかなしい。
虐待を受けている子どもの姿が浮かび、胸に突き刺さってきました。
自分ではどうにもできない子供の辛さがを思うと、かわいそうな気持ちと虐待に対する怒りでいたたまれなくなります。
真正面から書かれている重みがありました。
それでも小説の中で何かしらの救いがあってほしいと願い、そう思えた場面は涙をこらえて読みました。
虐待が子供の心を傷つけるということがずしんと重くのしかかる。
どんなに残酷なことか心が痛いです。
現実にもし虐待されている子が近くにいたとしたら…、その子を思いやっていることを何かの形で行動に表してあげたい。知りませんでは悲しすぎる。
読み終えて、感想を書くのもまた、とても難しかった。
世の中から消えない虐待を思うと重苦しい気持ちになってしまうから…。
もう50歳になってるというのに、ショックをうけてしまい、自分が甘ちゃんなのを思い知るよう…。
全く本の感想とはいえず、感情の吐露になってしまいました。
WEB本の雑誌の「情熱読書会」を読んで皆さんの熱意に心打たれました。
白熱しているその場の空気が伝わってきて、とても良かったです。
私と同じように感じている書店員さんや、慈愛のこもった言葉で語ることのできる書店員さん。小説の中の人物に思いを注ぎ、心を揺さぶられているのを言葉にし合っている。
自分の読書と重なり、ジーンとして感動…。
座談会を読んではじめて、この本を読んで良かったと思うことができました。
本当にこの本は、自分の中に刻まれました。
- 感想投稿日 : 2013年1月20日
- 読了日 : 2013年1月20日
- 本棚登録日 : 2013年1月20日
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