銀河不動産の超越 Transcendence of Ginga Estate Agency (講談社文庫)
- 講談社 (2011年11月15日発売)
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『長針がずっと回らないまま、短針がぐるぐる時間を送るような』
あれ?私森博嗣の作品を読んでるんだよね?三浦しをんでも、伊坂幸太郎でもなく、森博嗣の作品を。
文章に紛れる独特のリズムと、鉄でできたような綿飴の味、拒絶に近い人への敬遠の影を少しずつ楽しんだ。
いつ人が死ぬのだろう。どんな悲しい別れがあるのだろう。最後は全部壊れてしまうのでしょう?と、思いながら読んでいた。でも、そんなことはこの本の中では起きない。絶妙に全てが和らいで感じる。どこか暖かいような。冬の日よく晴れた昼過ぎの日差しのような。
もちろん、森博嗣なんだから、ただじゃ終わらない。最後の数ページで濃縮された森博嗣を味わう。
日曜日の午後に珈琲とドーナツを食べながら読むのに、とても良い一冊だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年1月7日
- 読了日 : 2024年1月7日
- 本棚登録日 : 2024年1月7日
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