銀河不動産の超越 Transcendence of Ginga Estate Agency (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2011年11月15日発売)
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本棚登録 : 1597
感想 : 158
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『長針がずっと回らないまま、短針がぐるぐる時間を送るような』

あれ?私森博嗣の作品を読んでるんだよね?三浦しをんでも、伊坂幸太郎でもなく、森博嗣の作品を。

文章に紛れる独特のリズムと、鉄でできたような綿飴の味、拒絶に近い人への敬遠の影を少しずつ楽しんだ。

いつ人が死ぬのだろう。どんな悲しい別れがあるのだろう。最後は全部壊れてしまうのでしょう?と、思いながら読んでいた。でも、そんなことはこの本の中では起きない。絶妙に全てが和らいで感じる。どこか暖かいような。冬の日よく晴れた昼過ぎの日差しのような。

もちろん、森博嗣なんだから、ただじゃ終わらない。最後の数ページで濃縮された森博嗣を味わう。

日曜日の午後に珈琲とドーナツを食べながら読むのに、とても良い一冊だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年1月7日
読了日 : 2024年1月7日
本棚登録日 : 2024年1月7日

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