失はれる物語 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2006年6月23日発売)
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本棚登録 : 16760
感想 : 1436
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初☆乙一さんだ~!わくわく♪ と読み始めたら
8篇のうち、2篇は娘と並んで号泣した映画の原作となった短編、
もう1篇は、何かのアンソロジーで読んで
「おお!乙一さんの他の作品、機会があったら読んでみよう!」
と思った作品で、思わず自分の記憶中枢に
「もっとがんばりましょう」のハンコを押したくなったりしましたが。。。

人と接することが苦手な少女が頭の中に創り上げた
架空の携帯電話に突然かかってくる電話、
その電話が導く運命的な出逢いが切ない『Calling You』

他人が痛い思いをするのを見ていられず、傷を我が身に引き受けてしまうアサトと
不器用な優しさで彼を守ろうとする「オレ」の絆が
『幸福な王子』の王子とツバメを思わせる『傷』

知り合いの誰もいない土地に引っ越し、孤独に死ぬことを夢見る青年に
亡くなったその部屋の元住人の幽霊と白い子猫が
締め切ったカーテンを開けて風を入れ、否定してきた世界の一部となって
生き続けることを決意させる『しあわせは子猫のかたち』

などなど、乙一さんが用意してくれるちょっと不思議なシチュエーションが
どれもこれも私好みで、うれしくなってしまいます。

それにしても、『Calling You』にしろ、『傷』にしろ、たった50頁ほどの短編なのに
「これを映画にしたい!」と思わせてしまうなんてすごいなぁ。。。
またまた追いかけたい作家さんが増えました♪

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: あ行の作家
感想投稿日 : 2012年9月6日
読了日 : 2012年9月5日
本棚登録日 : 2012年9月6日

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コメント 2件

マリモさんのコメント
2012/09/07

こんにちは!
乙一さんいいですよね!私もこの本読んで、乙一さんの本に目覚めました。といってもまだ少ししか読んでません(笑)
乙一さんはホラーも書かれるみたいですが(この本の、「マリアの指」なんかは、その傾向がありますね、そういえば…)、私はホラーは苦手なので、ふわっとした不思議ファンタジーな乙一さんのが好きみたいです。

まろんさんのコメント
2012/09/07

マリモさん、コメントありがとうございます♪

私も、不思議ファンタジー路線の乙一さんが好きみたいです。気が合いますね(*^_^*)
レビューを読んでたら、乙一さんには、俗に黒乙一、白乙一と呼ばれる、
ふたつの真逆の路線があるようですね(笑)

そうそう、私なんかは「マリアの指」の指の描写ですら怖くてゾクゾクしたくらいなので
初めて手に取ったのが黒乙一さんじゃなくてよかったです!
白乙一さんを、なかよく一緒に楽しみましょうね(*'-')フフ♪

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