ああこれは好きだなあ。絶賛するひとの多い“常野物語”シリーズ、小耳には挟んでいたものの、、3部作の2作目からいっちゃった。でも、時系列的には最初の話らしいし。残酷な一面もあることも含め、秀逸なおとぎ話であり、寓話であり。ファンタジーのなかに、胸を刺す棘がちゃんとある、というかんじ。
絶賛する熱狂信者が多いわりになかなかハマりきれないのが恩田陸さんと宮部みゆきさんなんだけど、どちらもやっぱり食わず嫌いせず読むべきだな、、
常野の民の物語を読まずにはいられないな、まだ余韻が抜けない。。光比古が“しまって”いた、聡子を“響かせる”あの場面、自分でもわからないくらい泣けてしまった。単純に聡子や家族のおもいに同調したわけじゃなく、物語とはべつの、懐かしくもう会えないいろんな過去の奥底にあるものがしゅっ、しゅっと胸の奥に蘇った。うまく言えないが。琴線に触れた、というやつなんだろう。ひとは過ちも禍いも繰り返しながら生きていて、幸せはてのひらに包んで持っていられるものじゃないんだけど、失ったり傷ついたりしながら先へ進む強さみたいなものを感じられる物語。まだ3部作のまんなかしか読んでないけど。恩田作品の針にかかったきがする、もっともっと読んでみたいな。続き物なんだろうけど、単体でもじゅうぶん読み応えのある1冊。満足。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SF・ホラー・ファンタジー系
- 感想投稿日 : 2017年9月30日
- 読了日 : 2017年10月6日
- 本棚登録日 : 2017年9月30日
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