6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む (ハーパーコリンズ・フィクション)
- ハーパーコリンズ・ ジャパン (2017年6月24日発売)
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感想 : 47件
描かれているのは淡々とした日常ですが、登場人物は全て一風変わった人ばかりです。
本を愛しながら、日々不要になった本を裁断する仕事に就くギレン。彼の心を癒すのは、偶然手に入れた誰かの日記。
文中に挿入されるギレンの朗読部分はそれまでの場面には一切関係なく、少し混乱させられるのだけれど、却ってそのことが感情移入をもたらし、気付くと自分自身も物語の一部になっているような錯覚に囚われます。
本が裁断されていくシーンは、本好きなら本の気持ちになります。多分。
特に大きなエピソードがあるわけでも、最後が型どおりのハッピーエンドというわけでもなく、作品としては地味なものではありますが、全ての本好き、仕事や人生に行き詰まっている人に読んでもらいたいなあと思いました。
ところで、フランスの村上春樹って言う触れ込みはどうかと思います。
ワタクシ、実はアンチというほどではないのですがそこまで村上作品に思い入れは持てないため、村上さんを語れるほど読んだことはないですが、これは全く違うと思います。
ムラカミストがそういう意味での期待値を持って読むと、多分期待はずれになるのでまるで別の作品として捉えた方が良いかと思いました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年6月30日
- 読了日 : 2017年6月30日
- 本棚登録日 : 2017年6月29日
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