荒野

著者 :
  • 文藝春秋 (2008年5月28日発売)
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本棚登録 : 2269
感想 : 394
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乱暴しようとする少年。やんわりと押さえつけようとする義理の母親。話のアクセントとして登場する(ように読めてしまう)同性愛者の少女。
その全てが苦しい。なぜ読んでいてこんなに苦しいのだろうか。
多くの人が読んでいても通り過ぎてしまう部分で、う、となってしまう。

桜庭一樹は、少女が"女"になるために乗り越えなければならない成長痛のようなものをきっちりと書く。
読んでいてしんどいのは、きっと自分が大人になりきれていないからだろう。
読み手の未熟さを抉り出す、ナイフのような小説。

読書状況:積読 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年4月12日
本棚登録日 : 2020年3月10日

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