乱暴しようとする少年。やんわりと押さえつけようとする義理の母親。話のアクセントとして登場する(ように読めてしまう)同性愛者の少女。
その全てが苦しい。なぜ読んでいてこんなに苦しいのだろうか。
多くの人が読んでいても通り過ぎてしまう部分で、う、となってしまう。
桜庭一樹は、少女が"女"になるために乗り越えなければならない成長痛のようなものをきっちりと書く。
読んでいてしんどいのは、きっと自分が大人になりきれていないからだろう。
読み手の未熟さを抉り出す、ナイフのような小説。
読書状況:積読
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- 感想投稿日 : 2020年4月12日
- 本棚登録日 : 2020年3月10日
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