ボクシングなんて全く興味がない。テレビ中継だってほとんど見たことがない。角田さんの新作、ボクシングの話か・・・、気乗りしないけど角田さんだし一応押さえておこうかなとの思いで読み始めた。
物語はボクシング雑誌に配属になった編集者、空也の目線で描かれる。
不本意な配属先でやる気のない空也の態度にイライラ。ボクシング用語のわけわかんなさにまたもやイライラ。何だこの小説はと思いながらも我慢し読み続ける。
しかし、しかーし!!
中盤付近?いやもっと前か?
空也の通うジムのスター選手タイガー立花の一戦一戦を読み進めるうちに、自分も空也と一緒にボクシングの魅力に徐々に徐々に取りつかびれているのがわかる。
試合の描写も全くの素人から成長する空也とともにどんどんリアルに熱くなっていく。自分もリングサイドで観戦しているような錯覚に陥る。
「いけー、タイガー!!休んでんじゃねー」って叫びたくなった。
空也とタイガー立花のそれぞれの成長。それを取り巻く魅力的な人々。
鹿野編集長、萬羽トレーナー、中神の母、それぞれのキャラがまたいいんだな。
前半はあれほどうだうだ読んでたのに、後半はほぼ一気読み。
読み終わる頃にはいっぱしのボクシング通になった気分。
いや~、面白かった。興奮した。
そういえば、角田さんボクシングやってるんだよな。だからか。
満を持してってことだったのかな。
角田光代の引き出しの多さに脱帽。文句なし☆5つです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
角田光代
- 感想投稿日 : 2013年1月8日
- 読了日 : 2013年1月8日
- 本棚登録日 : 2013年1月8日
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コメント 2件
円軌道の外さんのコメント
2013/05/08
vilureefさんのコメント
2013/05/09