幸福論 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2005年2月24日発売)
3.33
  • (26)
  • (66)
  • (153)
  • (18)
  • (6)
本棚登録 : 1031
感想 : 54
4

「私たちの時代に失われてしまっているのは、
幸福ではなくて幸福論である。」

哲学といっしょで、幸福そのものよりも(そんなものはきっとない)、どうすれば幸福か、なにが幸福かを考えて行動することのほうが大切、だと思う。


・書物の歴史性を、現在化していくおは、読者の肉体である。
→どういう肉体のコンディションで本を読むか。

・スクリーンがあれば、人は何度でも死に、何度でも生きられる。

・変装の役割。差別の克服。
自分を解放する日常的な冒険。

・演技を生き方の方法にすることで、想像と現実の間の階級を取り除く。

・交際を広げたい人は、身近な人も他人とみなす疎外感。
出会いに期待する心は、幸福を探す心。

・アトム畑井。自分がボクサーになって殴られる様子がテレビに映ることで、母に自分を探してもらえるという期待。

・売春婦は、「遊んでいかない?」とは言うが、「愛していかない?」とは言わない。
ホイジンガ「愛が遊戯であり、性がまじめである」

・なぜ「いく」っていうんだろうか。
なにかが逃げていくのか。

・オナニーはランプの魔人と似てる。

・「オナニーは、出会い。自分の中に同胞を見出す行為」寺山修司

・距離と歴史。
100mを11秒で走るランナーにとっては、10000mは18分の歴史。
走ることは、過去をたぐりよせること。

・歴史で大切なのは、伝承されるときに守られる真実の内容。どうつくりかえ、再構築していったか。そこにどういう意図があったか。

・寺山修司の劇団は、身の上相談。
不幸な人が、不幸を演じればいい、という考え方。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: essay
感想投稿日 : 2014年6月8日
読了日 : 2014年6月8日
本棚登録日 : 2013年12月15日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする