データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」

  • 日経BP (2013年2月28日発売)
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マーケティングを今自社が持っているデータから、どのように有効に行うか。アナリシス。

・特に固定電話など、成長が止まっている市場においては、財布内シェアの情報が不可欠になる。固定電話サービスの利用傾向を左右するのは主に、
・顧客企業が保有している電話回線の総数
・顧客企業がどの産業に属しているか
・企業内の地理的なばらつき(拠点が1カ所か、複数か)
である。
そこで、どこに営業の最大のチャンスが転がっているか割り出すために、次のような分析を行った。
まず顧客を1回線毎の請求料の大小でソートする。例えばレンタカー事業を営むA社が40回線所有していて、1ヶ月あたりの請求が合計3000ドルなら、1回線あたり75ドルを支出している。
次に地理的にA社に近く、業態が同じで1回線あたりの請求額が高い他社と比べる。同じ地域の上位の他レンタカー会社が1回線につき平均120ドル使っているとする。
そして、’1回線あたり120ドルがその地域の同業者で財布内シェアの100%を握っている’ものと考える(支出額が最も大きいので)。
1回線あたり75ドルのA社はまだ45ドルを競合他社の電話回線に使っているので、A社をターゲットにするのは、有意義だとの結論が出る。

・人々の感情を理解することに特化している企業として、他にボイスプリズムが挙げられる。彼らは人間の声の音波を分析する。誰かに10分ほど喋ってもらい、基準値となるベースラインを把握した後で、提示される様々な刺激物(この場合は広告)について語ってもらう。そしてその際の反応とベースラインとを比較し、興奮やストレス、喜び、怒りといった感情を明らかにするのだ。声は無意識下で何が起きているのかを理解するのに役立てることができる。何千人もの消費者の無意識に関するデータを集められる技術など、私はほかに見たことがない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 仕事
感想投稿日 : 2013年6月29日
読了日 : 2013年6月29日
本棚登録日 : 2013年4月24日

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