主人公のようこが祖母に「りかちゃん人形」が欲しいと言うが、祖母がくれたのはなんと黒髪の市松人形だった。
祖母が書いてくれた説明書通りに「りかさん」と寝食を共にすることによって、ようこには人形の声が聞こえるようになる。
私がこの小説を読んで思ったことは、
「人形にも心がある」ということ。
私自身小さい頃はお人形遊びなんてしたことがなかったから、あまり共感は持てなかったけど。
ようこに人形の話すことが分かるようになったのは、
「りかさん」にお供えした食べ物を
説明書通りに、自分で食べたからだと思う。
異界のものを食べることで主人異界へと通じる物語は
多くあるので、この物語も「りかさん」が食べたあとのもの(食べたといっても人形なので実際はそのまま残っている)をようこが体内に入れることによって人形の世界に通ずるようになる。
『千と千尋の神隠し』でも千がお団子(?)をハクからもらって食べることによって透明な体が治っていくシーンがあったが、それも湯屋のある神々の世界で身を保っていくためには必要なものだったのだと思う。
この本を手に取ったきっかけは、毎週通ってる図書館でたまたま見つけて自分の名前と同じだったからだったけど、読んでいくと不思議な人形たちの話に引き込まれてしまいました。
恨み言をいう人形とか、毎日泣いている人形がいてその問題をどうにかして「りかさん」と一緒に解決していくストーリー。
漫画の『夏目友人帳』みたいだなとも思いました。人形は妖怪みたいに襲ってこないから良かったけど、、、。でもそういえは、人形じゃないけどようこが一度だけ襲われて、泣いて助けを求めるシーンがあったのだけど、その経験が後々大事になってきたりもする。
『からくりからくさ』という小説にも「りかさん」が
登場するので読んでみたいです!
- 感想投稿日 : 2019年6月7日
- 読了日 : 2019年6月6日
- 本棚登録日 : 2019年6月6日
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