THE BUTTERFLY EFFECT
2003年 アメリカ
監督:エリック・ブレス&J・マッキー・グラバー
出演:アシュトン・カッチャー/エイミー・スマート/エリック・ストルツ
簡単に言ってしまえば要するに一種のタイムマシンパラドックスもの。過去を書き換えたら未来も変わっちゃうんだよ、というのは『バックトゥザフューチャー』に代表されるようにけして珍しいテーマではないんですけども、やっぱこういうのって脚本とか演出とか映画そのものの完成度の勝利ですよねえ。『エターナル・サンシャイン』のときもそう思いましたけど、つまりこれ、ありきたりなテーマにも関わらず、すっごい面白かったのですよ!
日記を読み返すことで過去にさかのぼって書き換えることができる能力をもった大学生の青年が、初恋の女の子を救いたい一心で何度も過去に遡って、ああでもないこうでもない、と試行錯誤するんですが、その場は丸く納まっても、結局「現在」に戻ってきたときに何らかの齟齬が生じてしまい、別の誰かが不幸にならざるをえなくなってしまうもどかしさ。
SFとして非常によく出来ているなと思ったのは「書き換え可能な過去」と「すでに書き換えが起こってしまったがゆえの過去」が混在していて、それに気づかされる瞬間。台所でいつのまにか包丁持ってたエピソードとか、幼稚園で絵を描いてたエピソードとか、あのへんの見せ方が絶妙だと思いました。
それでいて主人公は一貫して、けして自分のためではなく「好きな女性を助けたい」という目的のためにしか行動しないので、ラストのオチが効いてきます。アシュトン・カッチャーは目の保養にもなるので、なかなか良い映画でした。
→ 2005.09.01
- 感想投稿日 : 2015年4月24日
- 読了日 : 2005年9月1日
- 本棚登録日 : 2015年4月24日
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