斑鳩王の慟哭 (中公文庫 く 7-22)

著者 :
  • 中央公論新社 (1998年9月1日発売)
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感想 : 13
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斑鳩王とは言わずと知れた聖徳太子(厩戸皇太子)のことである。
太子の晩年から死、そして斑鳩宮を継いだ太子の長子・山背大兄王とその一族、
所謂上宮王家の滅亡の時までを描いた物語である。

この物語は『聖徳太子 日と影の王子』の終章で
簡単に触れられた太子が政治から遠ざかるようになったその辺りが描かれている。
また『聖徳太子』で太子自身が気にかけていた
山背王の人間性が悪い方向に行く様も。。。

聖徳太子があまりにも偉大であった故に、
凡人であった山背王が生涯抱えることとなるコンプレックスとプレッシャー。
史実に基づき、違和感なく山背王の心根を捉えている。

聖徳太子は後世に偉大なる聖者として崇め奉られているが
実母と推古天皇の血の確執、子供達との葛藤、
さらに馬子や蝦夷との政治的な考え方の相違等、
苦悩の生涯だったのではないだろうか。
でもあんまり好きになれないわ(笑)気の毒だなっては思うけど。
結構重い話だった(涙)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 黒岩重吾
感想投稿日 : 2007年10月13日
読了日 : -
本棚登録日 : 2007年10月13日

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