鳥籠荘の、ちょっとおかしな住人たちの物語
読了日:2008.05.26
分 類:ライトノベル
ページ:269P
価 格:550円
発行日:2007年4月発行
出版社:メディアワークス電撃文庫
評 定:★★★+
●作品データ●
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主人公 : 衛藤 キズナ ほか
語り口 : 3人称
ジャンル : 小説一般
対 象 : ヤングアダルト向け
雰囲気 : 淡々と、フツーじゃないフツーの日常
結 末 : 一話ごとにオチ、悲喜こもごも
イラスト : 鈴木 次郎
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---【100字紹介】-----------------------
”ホテル・ウィリアムズチャイルドバード”、
通称・鳥籠荘には、普通の社会になじめない
一風変わった人達が住み着いている。
ちょっとおかしな住人たちの、ちょっとおかしな、
けれど色々フツーの日常をつづる連作短編
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紹介文が、20字も100字も前回と同じもので…どうもすみません。でも連作短編の第2巻なので…。基本的にはどちらから読み始めてもOK、というもの。
ホテル・ウィリアムズチャイルドバードは、その昔、ヨーロッパの貴族が建てた西洋建築の別荘で、この物語の時点では、家具つきのアパートとして貸し出されている物件。名前はホテルだけど、アパートです。ここの住人は、変人ばかりが集まることで有名。彼らは彼らなりの問題を抱えているけれど、それぞれに干渉することも殆どなく、世間の「フツー」とは違う時間や世界で「フツー」に生きています。これは、そんな日常なのか非日常なのか謎の姿を描く物語。
今回は全3話。
第1話「人魚姫になるための間違った方法」は、初めてこのホテルの住人でない人が主人公な物語。キーパーソンは、中学生時代のキズナ。あとはヘレンさんも大活躍(?)。全体の流れとアップダウンが巧く、まとまりもいい、思春期なお話。
第2話「ザリガニ/万引き/スケッチブック」は、浅井有生と井上由起の、過去のお話。前半と後半に分かれています。有生の右手と由起のザリガニ、そして前巻のエピソードでちらっと登場した「結婚」な話も織り交ぜて、贅沢なストーリー。有生たちの底辺に漂っているところは、基本的にはカスタム・チャイルドの主人公と同じものかも。
第3話「彼女と彼の気まずい日曜、彼女と彼女?のハプニングな土曜」はまあ、ご想像の通り。ちらっとヘレンさんも登場!?読みどころは最初の2P、サンダースおじさんの事件とか(笑)。
著者も言っているように、全体に井上由起出没率高しな第2巻。こういう展開というか、エピソードの選び方でくるとは!…とちょっと驚きつつ、しっかりはまっているから凄いです。「またこれかー」とか「王道だよねー」という部分もありつつ、最終的には「あー、面白かった」で終われるからまあいいか、で。次巻もすでに発行されていますので、読むのがとても楽しみです。
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文章・描写 :★★★★
展開・結末 :★★★
キャラクタ :★★★+
独 自 性 :★★+
読 後 感 :★★★
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菜の花の一押しキャラ…衛藤 キズナ
「「自分で自分のことを変だってわかってる人は、
自分で思ってるよりは意外と普通の人なんじゃない?」(衛藤 キズナ)
- 感想投稿日 : 2010年10月10日
- 読了日 : 2010年10月10日
- 本棚登録日 : 2010年10月10日
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